経費に関するよくある質問|個人事業主の経費Q&A集

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大手監査法人出身の公認会計士(第47928号)・税理士(第159175号)が監修。個人事業主・フリーランスの確定申告を年間100件以上代行している実務経験から、経費でよく寄せられる疑問をQ&A形式で幅広く解説します。
📋 税理士監修 ❓ 経費Q&A集

経費全般に疑問がある事業者に向けて、よくある質問をQ&A形式でまとめました。読めば、迷いやすい経費の論点を、判断の原則とあわせてまとめて解決できます。

🏆 結論:経費の判断は「事業関連性・区別・証拠」の3点で決まる

経費にできるかどうか迷ったら、(1)事業に必要だと説明できるか、(2)プライベートと区別できるか(できなければ按分)、(3)領収書などの証拠を残せるか——この3点で判断します。この記事では、グレーゾーンの判断、少額の経費、家族関連費用、プライベート混在など、経費に関する頻出質問をQ&A形式で幅広くまとめました。自分の疑問に近いものから読んでください。

経費の判断に迷ったときの「3つの原則」

個別の質問に入る前に、すべての判断の土台になる3つの原則を押さえておきましょう。どんな支出でも、この3点に立ち返れば、自分で判断できるようになります。

  1. 事業関連性:その支出が事業の売上を得るために必要だと説明できるか
  2. 区別・按分:プライベートと明確に区別できるか。できなければ事業割合で按分する
  3. 証拠:領収書・レシート・記録など、第三者に示せる証拠を残せるか

この3つを満たせるものは経費にでき、満たせないものは難しい、というのが基本的な考え方です。経費の判断基準をより詳しく知りたい方は経費の判断基準を、経費の全体像は経費の完全ガイドをあわせてご覧ください。

「これって経費?」グレーゾーンの判断に関する質問

経費にできるか迷いやすい、グレーゾーンの判断に関する質問をまとめました。何が経費にできるかの一覧は経費にできるもの一覧でも確認できます。

スーツや仕事着は経費になりますか?
原則として経費になりません。スーツは私生活でも着られるため家事費とされます。制服・作業着・舞台衣装など、私生活では使わないことが明らかなものに限り認められます。
取引先との飲食代は経費になりますか?
事業に関連する打ち合わせや接待であれば、接待交際費や会議費として経費になります。個人事業主には法人のような交際費の上限はありません。相手の名前や目的を記録しておきましょう。
一人で食べたランチ代は経費になりますか?
原則として経費になりません。食事は誰もが必要とする私生活の支出だからです。取引先との打ち合わせを兼ねるなど、事業との明確な関連がある場合に限られます。
取引先へのご祝儀や香典は経費になりますか?
事業上の付き合いであれば、接待交際費として経費になります。領収書が出ないため、日付・相手・金額・目的をメモや出金伝票で記録しておきましょう。社会通念上、相当な金額であることが前提です。
健康診断や人間ドックの費用は経費になりますか?
個人事業主本人の健康診断費用は、原則として経費になりません(本人の身体に関する家事費とされます)。従業員のための健康診断は、全員を対象にするなど一定の要件を満たせば福利厚生費として経費にできます。

少額の経費に関する質問

少額の経費や、レシートがない場合の処理に関する質問をまとめました。経費の上限の考え方は経費はいくらまで計上できるかで詳しく解説しています。

レシートがない経費はどうすればいいですか?
交通費やご祝儀などレシートが出ない支出は、出金伝票に日付・金額・支払先・内容を記録すれば経費にできます。ただし濫用は禁物で、できる限り証拠を残すのが基本です。
少額なら領収書がなくても大丈夫ですか?
金額の大小にかかわらず、記録は必要です。少額でも、何にいくら使ったかを帳簿に残しておきましょう。クレジットカードの明細や交通系ICの利用履歴も証拠になります。
10万円未満のものは全額経費にできますか?
取得価額10万円未満の備品などは、購入した年に全額を経費(消耗品費など)にできます。10万円以上は原則として減価償却ですが、青色申告者には一括で経費にできる特例があります。
少額の経費をまとめて計上してもいいですか?
原則は取引ごとに計上しますが、交通費などは日々の記録をもとに、月単位でまとめて入力する運用も実務的です。いずれも内訳がわかるように記録を残しておきましょう。

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グレーな経費の判断から、家事按分、家族への給与の設計まで、公認会計士・税理士が正直にアドバイスします。迷ったらまずご相談ください。

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家族・家庭に関わる費用の質問

家族関連費用は、所得税の特別なルールがあり判断が難しい論点です。間違えやすいポイントをまとめました。自分の業種での考え方は業種別の確定申告ガイドもあわせて確認してください。

家族に支払う給与は経費になりますか?
生計を一にする家族への給与は、原則として経費になりません(所得税法56条)。ただし、青色申告で「青色事業専従者給与」の届出をすれば、労務の対価として相当な額を経費にできます。白色申告では事業専従者控除(配偶者86万円・その他の親族50万円が上限)があります。
生計を一にする親族に払う家賃は経費になりますか?
なりません。生計を一にする親族へ支払う地代家賃は、所得税法56条により経費にできません(受け取った親族も収入にしません)。ただし、その親族が負担している固定資産税など、その資産にかかる経費は、事業主の必要経費にできます。
別生計の親族への支払いは経費になりますか?
生計が別であれば、所得税法56条の対象外となり、適正な対価であれば経費にできます。「生計を一にする」かどうかは、同居の有無だけでなく、生活費を共にしているかで判断されます。
家族との食事代は経費になりますか?
家族だけの食事は私的な支出なので経費になりません。事業に関係のない家庭の支出は、原則として経費にできないと考えてください。

プライベートと事業が混在する費用の質問

プライベート混在の費用は、家事按分で処理するのが基本です。按分が必要な代表的なケースをまとめました。

自宅で仕事をしています。家賃は経費になりますか?
事業で使う割合(事業割合)だけ経費にできます。床面積や使用時間など合理的な基準で按分します。たとえば自宅の25%を仕事に使うなら、家賃の25%が経費です。
電気代や通信費はどこまで経費にできますか?
事業で使う割合だけ経費になります。電気代は使用時間や使用面積、通信費は仕事での使用割合などで按分します。根拠を説明できる割合にすることが大切です。
プライベートと仕事で使う車の費用は?
ガソリン代・車検代・保険料などを、走行距離などの事業割合で按分して経費にします。事業で7割使うなら、関連費用の7割が経費です。
事業用口座から生活費を引き出したらどう処理しますか?
「事業主貸」で処理します。逆に、私用口座から事業の経費を払った場合は「事業主借」で処理します。プライベートと事業のお金の出入りは、この2つの科目で整理します。

経費の記録・手続きに関する質問

経費の記録方法や、申告に関わる手続きの質問をまとめました。

領収書は何年保存すればいいですか?
青色申告では原則7年(一部書類は5年)、白色申告では5年です。迷ったら一律7年保存しておくと安全です。メールで受け取った電子の領収書は、電子データのまま保存する義務があります。
経費が多すぎると税務調査が来ますか?
売上に対して経費の割合が同業他社より極端に高いと、確認の対象になりやすくなります。ただし、事業に必要な経費を正しく計上していれば問題ありません。根拠を説明できる状態にしておくことが重要です。
プライベートの支出を経費にしたらどうなりますか?
税務調査で否認され、追徴課税(過少申告加算税など)の対象になります。意図的な場合は重加算税が課されることもあります。私的な支出は経費に入れないようにしましょう。
赤字でも経費は計上したほうがいいですか?
計上すべきです。青色申告なら、赤字(純損失)を翌年以降3年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます。経費を正しく計上することは、将来の節税にもつながります。

自分でやる vs 税理士に任せる

経費の判断に迷うものが多い場合は、専門家に相談することで、節税とリスク回避を両立できます。判断の目安を整理します。

項目 自分でやる 税理士に任せる
費用会計ソフト代のみ49,800円〜
経費の判断迷いやすい正確に判断・節税提案
税務調査対応自己対応説明・立会いを依頼可

家族への給与の設計、家事按分、グレーゾーンの判断など、迷う論点が多い方は、税理士への依頼を検討する価値があります。費用対効果は節税を税理士に依頼すべきかで詳しく比較しています。

弊所の経費相談サポート実例

確定申告ドットコムに寄せられた、経費に関する相談の実例を紹介します(守秘のため一部内容を変えています)。

実例1:年商1,000万円のフリーランスエンジニア(料金:年79,800円)

「あれもこれも経費になるのでは」とグレーな支出を多く計上していたケース。判断の3原則に沿って一つずつ精査し、説明できないものは除外。一方で見落としていた通信費の按分や書籍代を正しく計上し、結果的に適正かつ安心できる申告に整えました。

実例2:年商1,500万円の小売業(料金:年99,800円)

配偶者に給与を払っていたが、青色事業専従者給与の届出をしておらず経費にできていなかったケース。届出を行い、労務の対価として相当な額を専従者給与として計上。家族関連費用の扱いを適正化し、世帯全体の税負担を最適化しました。

実例3:年商700万円の在宅ライター(料金:年59,800円)

自宅家賃・光熱費を按分せず、全額経費にしていたケース。床面積で合理的な事業割合を設定し、按分して計上するよう修正。プライベート混在の処理を整え、税務調査でも説明できる帳簿にしました。

その他のよくある質問

所得税や住民税は経費になりますか?
なりません。所得税・住民税は事業の経費ではなく、個人にかかる税金です。一方、事業税や、事業で使う資産の固定資産税、税込経理の消費税などは経費になります。
交通違反の反則金は経費になりますか?
なりません。罰金・交通反則金は、たとえ仕事中のものでも経費にできないと法律で定められています。ペナルティ的な支出は経費にならないと覚えておきましょう。
国民健康保険料や国民年金は経費になりますか?
経費にはなりませんが、確定申告で「社会保険料控除」として全額が所得から控除されます。経費ではなく控除として申告することで、税負担を減らせます。
開業前に使ったお金は経費になりますか?
開業の準備にかかった費用は「開業費」として繰延資産にでき、好きな年に好きな額を償却して経費にできます。開業前のレシートも捨てずに保管しておきましょう。

まとめ

経費にできるか迷ったときは、(1)事業関連性、(2)プライベートとの区別・按分、(3)証拠の3原則に立ち返るのが基本です。スーツや本人の健康診断は原則経費にならず、家族への給与は届出が必要、自宅家賃などは按分が必要、といったように、論点ごとにルールがあります。判断に迷うものは、無理に計上せず、専門家に確認するのが安全です。経費の判断や記帳・申告に不安がある方は、確定申告ドットコムが一つひとつの疑問にお答えし、記帳から申告まで丸ごとサポートします。

📋 この記事のポイント

  • 経費の判断は「事業関連性・区別・証拠」の3原則で考える
  • スーツ・本人の健康診断・家族との食事は原則経費にならない
  • 家族への給与は青色専従者給与の届出が必要
  • 生計一親族への家賃は経費にならない(56条)
  • 自宅家賃・光熱費・車の費用などは事業割合で按分
  • レシートのない経費は出金伝票で記録する
  • 所得税・反則金は経費不可、国保・年金は控除で申告

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