フリーランス・個人事業主の確定申告完全ガイド

確定申告ドットコム|公認会計士・税理士監修
大手監査法人出身の公認会計士(第47928号)・税理士(第159175号)が監修。個人事業主・フリーランスの確定申告を年間100件以上代行している実務経験から、つまずきやすいポイントと正しい進め方を解説します。
📋 公認会計士×税理士監修 💼 個人事業主・フリーランス向け

確定申告が初めてで不安なフリーランス・個人事業主に向けて、対象者の判定から提出・納税までの全工程を解説します。この記事を読めば、自分が何をいつまでにやればよいかが分かります。

🏆 結論:確定申告は「対象者判定→記帳→申告書作成→提出→納税」の5ステップ

フリーランス・個人事業主は、事業所得が基礎控除額(最大95万円)を超えるなら原則として確定申告が必要です。手順自体はシンプルですが、青色申告の帳簿付けや経費の判断でつまずきやすいのも事実。早めに会計ソフトを導入し、不安があれば専門家に任せるのが確実です。

確定申告が必要なフリーランス・個人事業主とは

確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得と税額を自分で計算し、翌年の決められた期間に税務署へ申告・納税する手続きです。会社員は勤務先の年末調整で完結しますが、フリーランス・個人事業主は自分で申告しなければなりません。

事業所得が基礎控除額を超えると申告が必要

フリーランス・個人事業主は、事業による所得(総収入から必要経費を差し引いた金額)が基礎控除額を超える場合、原則として確定申告が必要です。ここで重要なのが、2025年分(2026年2〜3月申告分)から基礎控除額が引き上げられたという点です。

📢 令和7年度改正:基礎控除の引き上げ

従来48万円だった基礎控除が、原則58万円に引き上げられ、所得が少ない人ほど最大95万円まで拡大されました。これにより「所得48万円超で申告が必要」という従来の説明は古くなり、所得が95万円以下であれば所得税の確定申告が不要となるケースが出てきます。

つまり、「事業所得が48万円を超えたら申告」という以前の常識は通用しなくなりました。最新のラインで判定する必要があります。

申告が不要でも申告した方が得なケース

所得が基礎控除額以下で申告義務がない場合でも、次のようなケースでは自主的に申告した方が有利です。

  • 報酬から源泉徴収されている場合(執筆・講師・デザインなどは報酬の10.21%が源泉徴収され、申告で還付される可能性があります)
  • 赤字を翌年以降に繰り越したい場合(青色申告なら純損失を3年繰り越せます)
  • 融資・賃貸契約・保育園の申込みなどで所得証明が必要な場合
  • 国民健康保険料の正しい算定のため

💡 実務のポイント

所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別途必要なケースがあります。所得ゼロでも、自治体によっては住民税申告をしておかないと国保料の軽減が受けられないことがあるため、判断に迷ったら自治体や専門家に確認しましょう。

確定申告の全体の流れ【5ステップ】

確定申告は、大きく次の5つのステップで進みます。全体像を先に押さえておくと、自分が今どの段階にいるかが分かり、迷いにくくなります。

ステップ 内容 時期の目安
①対象者判定自分が申告対象か確認する随時
②書類準備・記帳領収書整理・帳簿付け通年〜12月
③申告書作成決算書・申告書を作る1〜2月
④提出e-Tax・郵送・窓口2/16〜3/16
⑤納税・還付納税または還付の受け取り3〜4月

2025年分(令和7年分)の申告期間

2025年分の確定申告期間は、2026年2月16日(月)から3月16日(月)までです。消費税の申告・納付期限は3月31日(火)。なお、還付申告は2026年1月から提出できます。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が発生するため、早めの準備が肝心です。

ステップ①②:必要書類の準備と記帳

申告作業の大半は、実はこの準備・記帳の段階で決まります。直前に慌てないよう、通年で取り組むのが理想です。

揃えておく主な書類

  • 売上が分かる書類(請求書・通帳・売上台帳)
  • 経費の領収書・レシート
  • 各種控除証明書(国民年金・国民健康保険・生命保険・小規模企業共済・iDeCoなど)
  • 源泉徴収票(報酬から源泉徴収された場合の支払調書など)
  • マイナンバーが分かるもの・本人確認書類

記帳は会計ソフトの活用が現実的

青色申告で65万円控除を受けるには複式簿記での記帳が必要です。簿記の知識がなくても、クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生など)を使えば、銀行口座やクレジットカードの取引を自動で取り込み、仕訳の大部分を自動化できます。手書きや表計算ソフトでの記帳に比べ、ミスも手間も大幅に減らせます。

💡 実務のポイント

弊所のお客様で最も多いつまずきが「領収書を1年分ためてしまった」ケースです。月1回でも記帳・整理の習慣をつけておくと、申告期の負担が劇的に軽くなります。難しければ記帳代行を利用するのも有効な選択肢です。

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青色申告と白色申告の違い

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。節税効果が大きいのは青色申告です。

項目 青色申告 白色申告
特別控除最大65万円なし
事前申請必要(承認申請書)不要
記帳複式簿記(65万円控除の場合)簡易な記帳
赤字の繰越3年間繰越可原則不可
家族への給与専従者給与を全額経費に上限あり

65万円控除と基礎控除95万円は併用できる

見落とされがちですが、青色申告特別控除65万円と基礎控除(最大95万円)は別枠で併用可能です。たとえば事業収入300万円・必要経費170万円なら事業所得は130万円。ここから青色申告特別控除65万円を引くと65万円、さらに基礎控除95万円を適用すると課税所得はゼロになります。

🧮 シミュレーション

事業収入300万円 − 必要経費170万円 = 事業所得130万円
130万円 − 青色65万円 − 基礎控除95万円 = 課税所得0円
このケースでは所得税が発生しません(※他の所得・控除がない前提)。

ステップ③:申告書・決算書の作成

記帳が終わったら、決算書と確定申告書を作成します。

白色は収支内訳書、青色は青色申告決算書

白色申告では「収支内訳書」、青色申告では「青色申告決算書」を作成します。青色申告決算書は損益計算書と貸借対照表で構成され、65万円控除には貸借対照表の作成が必須です。会計ソフトを使えば、日々の記帳データからこれらの決算書が自動作成されます。

確定申告書は第一表・第二表で構成

確定申告書本体は第一表(収入・所得・税額)と第二表(所得の内訳・控除の詳細)で構成されます。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトの申告機能を使えば、画面の案内に沿って入力するだけで自動計算してくれます。

ステップ④:申告書の提出方法

提出方法は、e-Tax(電子申告)・郵送・税務署の窓口の3通りです。

e-Taxはマイナンバーカードが基本に

e-Taxを利用するにはマイナンバーカードが必要です。従来あった「ID・パスワード方式」は、新規発行が2025年9月末で停止されました。2025年10月以降に新たにe-Taxを使う人は、マイナンバーカードでの申告になります。マイナポータルと連携すれば、控除証明書などの一部データが申告書に自動入力され、入力の手間が減ります。

⚠️ 注意

青色申告で65万円控除を受けるには、e-Taxによる申告(または電子帳簿保存)が要件です。書面で提出すると控除額が55万円に下がってしまうため、65万円控除を狙うならe-Taxでの提出が前提になります。

ステップ⑤:納税と還付

申告で確定した所得税は、原則3月15日(2025年分は3月16日)までに納付します。納付方法は振替納税・ダイレクト納付・クレジットカード・コンビニ・スマホアプリ・窓口など複数あります。

振替納税なら納期が後ろ倒しに

振替納税(口座引き落とし)を選ぶと、引き落とし日が4月中旬ごろになり、実質的に納期が約1か月延びます。資金繰りの面でメリットがあるため、事前に申し込んでおくのがおすすめです。

還付は申告から数週間〜1か月程度

源泉徴収などで払いすぎた税金がある場合は還付されます。e-Taxなら書面より早く、おおむね数週間〜1か月程度で指定口座に振り込まれます。

確定申告ドットコムのサポート実例

弊所では、業種・規模を問わず多くのフリーランス・個人事業主の確定申告を代行しています。実際の対応例をご紹介します。

実例1:年商480万円のWebデザイナー(料金:年59,800円)

記帳が1年分まったく手つかずの状態からのご依頼。クラウド会計への取引取り込み・仕訳・青色申告決算書の作成・e-Tax提出まで一括代行しました。在宅の家事按分や機材の減価償却を適正に計上し、65万円控除も適用。本人の手間はほぼゼロで申告を完了できました。

実例2:年商950万円の建設業一人親方(料金:年98,000円)

外注費と材料費の区分、労災特別加入の保険料控除の扱いに悩まれていたケース。外注費の証憑整備と帳簿付けを支援し、消費税の課税判定もあわせて対応しました。現場で多忙な中、領収書を送るだけで申告が完結する体制を整えました。

実例3:年商320万円の副業フリーランス会社員(料金:年49,800円)

本業の給与と副業の事業所得の合算申告を代行。住民税を普通徴収にする手続きも行い、副業収入の経費を適正に計上しました。源泉徴収されていた報酬の一部が還付される結果となりました。

よくある質問

確定申告をしないとどうなりますか?
申告義務があるのに申告しないと、無申告加算税(原則15〜20%)や延滞税が課されます。税務署は支払調書や銀行口座などから収入を把握できるため、無申告はいずれ発覚するリスクが高いです。気づいた時点で早めに自主申告すれば、加算税が軽減される場合があります。
所得が95万円以下なら本当に申告しなくてよいのですか?
所得税の確定申告は不要になるケースがあります。ただし、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合や、住民税申告・国保料算定・各種証明の必要がある場合は、申告した方が有利・必要なことがあります。判断に迷う場合は専門家にご相談ください。
青色申告と白色申告、どちらを選ぶべきですか?
節税面では青色申告が有利です。最大65万円の特別控除、赤字の3年繰越、家族への給与の経費化など、白色にはないメリットがあります。会計ソフトを使えば複式簿記のハードルも下がるため、継続して事業を行うなら青色申告がおすすめです。ただし事前に承認申請書の提出が必要です。
青色申告の申請はいつまでにすればよいですか?
その年から青色申告をするには、原則として3月15日まで(その年の1月16日以降に新規開業した場合は開業から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。期限を過ぎるとその年は青色申告ができず白色申告になるため注意してください。
会計ソフトは必須ですか?
必須ではありませんが、特に青色申告65万円控除を狙う場合は強くおすすめします。複式簿記の記帳・決算書の作成・e-Tax提出までを大幅に効率化でき、計算ミスも防げます。手書きや表計算での記帳は手間が大きく、ミスの温床になりがちです。
経費はどこまで認められますか?
事業に関連する支出であれば経費にできます。自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費は、事業で使う割合に応じて按分します。プライベートと混在する支出は、合理的な根拠に基づいて按分することが重要です。判断が難しい経費は、税務調査で否認されないよう専門家に確認すると安心です。
確定申告を税理士に依頼するといくらかかりますか?
記帳の状況や事業規模によりますが、確定申告の代行は数万円〜が相場です。弊所では確定申告の丸投げを49,800円〜で承っています。記帳代行を含めても、自分で行う時間と手間、ミスのリスクを考えれば十分にメリットがあるケースが多いです。

📋 この記事のポイント

  • フリーランス・個人事業主は、事業所得が基礎控除額(最大95万円)を超えると原則申告が必要
  • 2025年分から基礎控除が引き上げられ「所得48万円超で申告」という従来の常識は古い
  • 確定申告は「対象者判定→記帳→申告書作成→提出→納税」の5ステップ
  • 青色申告なら最大65万円控除・赤字の3年繰越などのメリットがあり、基礎控除との併用も可能
  • 65万円控除にはe-Tax提出(または電子帳簿保存)が要件
  • 記帳・経費判断でつまずきやすく、不安なら専門家への依頼が確実

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記帳から提出まで一括代行。初めての方も、ためてしまった方も、まずはお気軽にご相談ください。

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