公認会計士(第28451号)・税理士(第142873号)が監修。会計ソフト導入支援と税理士への丸投げ依頼、両方の現場を見てきた経験から、実額ベースで比較します。
freee・マネーフォワード vs 税理士に丸投げ|年間コスト・時間・節税効果を徹底比較
「freeeで自分でやるか、それとも税理士に丸投げするか」――個人事業主・フリーランスが必ず一度は悩む選択です。本記事では、会計ソフト派と丸投げ派の年間コスト、所要時間、節税効果の3軸を、3パターンの具体的シミュレーションで徹底比較。あなたのケースで本当にお得な選択を、数字で判断できるようにします。
🏆 結論:判断軸は「時給」と「税務リスク許容度」の2つ
本業の時給が3,000円超で、税務に手間をかけたくない人は丸投げが合理的。本業の時給が低めで、簿記の学習を投資と考えられる人は会計ソフト派が向いています。49,800円〜の丸投げサービスなら、会計ソフト+自分の時間コストとほぼ同額で税理士に依頼できる時代になりました。
料金比較【一覧表】
まず、freee・マネーフォワード(年払いベース)と、税理士に丸投げする場合の年間コストを一覧表で比較します。料金は2026年4月時点の各社公式価格を参照しています。
| 選択肢 | 年間コスト | 申告対応 | サポート |
|---|---|---|---|
| freee スターター | 11,760円 | 白色のみ | チャット |
| freee スタンダード | 23,760円 | 青色65万円控除可 | チャット |
| freee プレミアム | 49,800円 | 青色65万円控除可 | チャット+電話 |
| マネーフォワード パーソナルミニ | 10,560円 | 白色のみ | チャット |
| マネーフォワード パーソナル | 15,360円 | 青色65万円控除可 | チャット |
| マネーフォワード パーソナルプラス | 39,336円 | 青色65万円控除可 | 電話対応 |
| 税理士に丸投げ(業界最安水準) | 49,800円〜 | 青色65万円控除対応 | 専任税理士 |
| 税理士に丸投げ(一般相場) | 100,000〜200,000円 | 青色65万円控除対応 | 専任税理士 |
💡 重要な気づき
freeeのプレミアムプラン(年49,800円)と、税理士の業界最安水準の丸投げサービス(49,800円〜)は、なんと同額です。会計ソフトに払う料金と、専門家に丸投げする料金が同水準になってきたのは、ここ2〜3年の大きな変化です。「会計ソフトのほうが安い」という常識は、もう通用しません。
所要時間の比較【月平均と年間】
料金だけでは判断できないのが、「自分でやる場合にかかる時間」です。会計ソフトを使っても、ゼロにはなりません。実務で個人事業主の作業時間を計測すると、平均的な所要時間は以下の通りです。
| 作業内容 | 会計ソフト使用 | 税理士丸投げ |
|---|---|---|
| 初期設定(年1回) | 3〜5時間 | 30分(書類渡すだけ) |
| 月次の取引登録 | 月2〜5時間 | 0時間 |
| 領収書整理 | 月1〜2時間 | 領収書を渡すだけ |
| 確定申告書作成 | 5〜10時間(2〜3月) | 0時間(税理士が作成) |
| e-Tax提出 | 1〜2時間 | 0時間 |
| 不明点の調査・問合せ | 月1〜3時間 | 0時間(税理士に質問) |
| 年間合計 | 50〜100時間 | 3〜5時間 |
会計ソフト派は年間50〜100時間を費やすのに対し、丸投げ派は領収書を渡すだけで3〜5時間。差は年間45〜95時間です。この時間を本業に振り向けたら、いくら稼げるかが判断のポイントになります。
パターン別シミュレーション【3パターン】
典型的な3パターンで、会計ソフト派と税理士丸投げ派の総コストを比較します。「自分のケースでどちらがお得か」が一目で分かります。
🧮 シミュレーション前提
申告種類:青色申告(65万円控除)/時間コスト:本業の時給で換算/会計ソフトはfreeeスタンダードプラン(年23,760円)と仮定/丸投げは業界最安水準49,800円〜
パターンA:時給2,000円のフリーランス(駆け出しデザイナー等)
状況:年商400万円、月の取引件数20件程度、簿記の知識なし、まずはコスト最小化を優先。
| 項目 | 会計ソフト派 | 税理士丸投げ派 |
|---|---|---|
| ソフト or 税理士費用 | 23,760円 | 49,800円 |
| 所要時間 | 年70時間 | 年4時間 |
| 時間コスト(時給2,000円換算) | 140,000円 | 8,000円 |
| 総コスト | 163,760円 | 57,800円 |
結論:時給2,000円でも、丸投げのほうが約10万円お得。意外な結果ですが、計算するとこうなります。
パターンB:時給5,000円のIT/エンジニアフリーランス
状況:年商800万円、月の取引件数30件程度、エンジニア系、本業集中で稼ぎたい。
| 項目 | 会計ソフト派 | 税理士丸投げ派 |
|---|---|---|
| ソフト or 税理士費用 | 23,760円 | 59,800円(業界最安水準) |
| 所要時間 | 年80時間 | 年4時間 |
| 時間コスト(時給5,000円換算) | 400,000円 | 20,000円 |
| 総コスト | 423,760円 | 79,800円 |
結論:丸投げのほうが約34万円お得。差額は本業の単価が高いほど拡大します。
パターンC:時給1,000円のアルバイト+副業会社員
状況:副業収入年100万円、月の取引件数10件未満、確定申告に時間をかけられる。
| 項目 | 会計ソフト派 | 税理士丸投げ派 |
|---|---|---|
| ソフト or 税理士費用 | 11,760円(白色用) | 49,800円 |
| 所要時間 | 年30時間 | 年3時間 |
| 時間コスト(時給1,000円換算) | 30,000円 | 3,000円 |
| 総コスト | 41,760円 | 52,800円 |
結論:このパターンに限っては、会計ソフト派のほうが約1万円お得。時給と取引件数が低いケースでは、自分でやる経済合理性が出てきます。
節税効果の比較
料金と時間以外に、もうひとつ大事な比較軸が「節税効果」です。会計ソフトと税理士では、節税の質と幅が大きく違います。
会計ソフトでできる節税
freee・マネーフォワードは「正しく入力すれば青色申告特別控除65万円が取れる」レベルの自動化が整っています。基礎控除や社会保険料控除、配偶者控除なども入力欄に従えば反映されます。ただし、判断を伴う節税──つまり「これは経費にしていいのか」「家事按分は何割が妥当か」「少額減価償却資産の特例を使うべきか」といったグレーゾーンの判定はソフトには判断できません。
税理士でしかできない節税
税理士に依頼すると、過去の事例や実務上の取扱いを踏まえて、グレーゾーンの判断を最適化できます。実務でよくあるのが、以下のようなケースです。
| 節税論点 | 会計ソフト | 税理士 | 影響額の目安 |
|---|---|---|---|
| 家事按分の最適化 | 自分で判断 | 事例ベースで提案 | 年5〜15万円 |
| 少額減価償却資産の特例活用 | 知識次第 | 必ず適用検討 | 年3〜10万円 |
| 消費税の簡易/本則選択 | 自分で判断 | 計算比較で判定 | 年5〜20万円 |
| 事業按分が曖昧な経費 | 計上漏れ多発 | 網羅的にチェック | 年3〜10万円 |
| 青色専従者給与の妥当性 | 金額判断不可 | 業界相場で提案 | 年10〜30万円 |
これらを合計すると、税理士のアドバイスで年間20〜50万円の節税ができるケースは珍しくありません。税理士費用5〜10万円を払っても、実質的にはプラスになる構造です。
📢 ただし、最安プランでは節税アドバイスがつかないケースも
業界最安水準の丸投げサービス(49,800円〜)は、申告書作成代行が中心で、節税の踏み込んだ提案が含まれない場合があります。サービス選定時に「家事按分の最適化提案」「少額減価償却特例の検討」が含まれるかを確認しましょう。確定申告ドットコムは、最安プランでも基本的な節税チェックを含めています。
会計ソフト派が向いている人・向いていない人
会計ソフト派が合理的なのは、ある程度限定された層です。あなたが該当するか、以下のチェックリストで確認してください。
| 項目 | 会計ソフト派が向いている | 税理士丸投げ派が向いている |
|---|---|---|
| 本業の時給 | 2,000円未満 | 3,000円以上 |
| 取引件数 | 月20件未満 | 月20件以上 |
| 簿記の知識 | あり、または学ぶ意欲 | なし、学ぶ気もない |
| 申告種類 | 白色でも構わない | 青色65万円控除を確実に |
| 消費税申告 | 不要(売上1,000万円未満) | 必要(売上1,000万円超) |
| 本業の繁忙時期 | 2〜3月は比較的暇 | 2〜3月も忙しい |
| 税務調査の不安 | 気にしない | 専門家のサポートが欲しい |
税理士丸投げ派の3つのメリット
料金以外の、税理士に依頼することで得られる3つの実質的メリットを紹介します。
メリット1:本業の集中時間が増える
年間50〜100時間の作業時間がそのまま本業に充てられます。時給5,000円のフリーランスなら、年間25〜50万円分の稼働時間が生まれる計算です。確定申告期(2〜3月)に集中するこの時間は、特に貴重です。
メリット2:税務調査リスクが下がる
税理士が関与した申告書は、税理士法第33条の2に基づく「書面添付制度」を活用すれば、税務署からの問合せが税理士経由で行われ、本人への直接調査リスクが下がる効果があります。会計ソフトで自分で申告した場合、税務署から直接連絡が来ることがあります。
メリット3:間違い・記入漏れによる追徴課税リスクの低減
個人事業主が自分で申告した場合の修正申告率は、税理士関与のケースの2〜3倍と言われています。修正申告には過少申告加算税(10%)や延滞税が課されるため、最初から正確に申告することの経済価値は大きいです。
会計ソフト派の3つのメリット
メリット1:日次の数字をリアルタイムで把握できる
クラウド会計ソフトは銀行口座やクレジットカードと自動連携するため、日々の収支がリアルタイムで分かります。「今月の売上はいくらか」「経費はいくら使ったか」を即座に把握でき、経営判断の精度が上がります。
メリット2:簿記の基礎が身につく
会計ソフトを操作するうちに、自然と簿記の基礎が身につきます。数字を読む力は経営者として一生役立つスキルです。投資としての価値を考える人にとっては、自分でやる経験は貴重です。
メリット3:固定費が低く抑えられる
白色申告ならば年1万円程度、青色申告でも年2万円程度で済みます。事業立ち上げ期で売上がまだ小さい時期は、固定費を抑える意味で会計ソフト派が合理的です。
令和8年度税制改正の影響
令和8年度税制改正により、令和9年分以後(2027年以降)から青色申告の世界が大きく変わります。会計ソフト派にも丸投げ派にも影響する重要な改正なので、押さえておきましょう。
📢 令和9年分以後の青色申告控除の変更
従来の最大65万円控除が、最大75万円に引き上げ予定。ただし75万円控除には「e-Taxによる期限内申告」と「優良な電子帳簿の保存」(訂正・削除履歴の保存など)が必要。紙申告の場合は控除10万円に縮小予定です。令和7年分(2026年2〜3月申告)はまだ現行ルール(65万円)が適用されます。
この改正で、会計ソフト派・税理士派ともにe-Tax対応・電子帳簿保存への対応が必須になります。freeeとマネーフォワードはどちらも改正に対応する見込みですが、自分で要件を満たす設定をする必要があります。税理士に丸投げする場合は、税理士側が電子帳簿保存要件を満たした運用に切り替えてくれるため、対応が楽です。
会計ソフトから税理士丸投げへの切り替え
「最初は会計ソフトを使っていたけど、事業が成長して切り替えたい」というケースもよくあります。切り替えタイミングと手順を整理します。
切り替えるべき4つのサイン
| サイン | 切り替えの理由 |
|---|---|
| 売上が1,000万円を超えた | 消費税申告が必要、専門家のチェックが必須 |
| 本業の時給が3,000円超えた | 時間コストが税理士費用を上回る |
| 経費判定が複雑になった | 家事按分・固定資産・在庫など判断ポイント増加 |
| 確定申告期に体調を崩した | 2〜3月の負担を減らす必要 |
切り替え手順
会計ソフトから税理士丸投げへの切り替えは、データ移行の手間を最小化することがポイントです。
| ステップ | 作業内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1. 税理士サービス選定 | 3〜5社の見積もり比較 | 2〜3日 |
| 2. 過去のデータ整理 | 会計ソフトからCSV/PDFエクスポート | 1日 |
| 3. 領収書整理 | 1月分〜直近月までを月別に整理 | 半日 |
| 4. 税理士に資料引渡し | クラウドストレージで送信 | 30分 |
| 5. 申告書チェック | 税理士が作成、本人が確認 | 1時間 |
よくある質問
まとめ:あなたに合った選び方
📋 この記事のポイント
- freee/MFと税理士丸投げの料金は、同水準(年4〜5万円台)まで近づいた
- 会計ソフト派は年50〜100時間、税理士派は年3〜5時間の所要時間差
- 時給3,000円超なら税理士丸投げのほうが総コストで合理的
- 税理士は会計ソフトでは判断できない節税論点(家事按分・少額減価償却等)に対応可能
- 令和9年分以後はe-Tax+電子帳簿保存が必須化、対応負担は税理士に依頼するほうが軽い
- 会計ソフトと税理士の併用(日次入力+決算丸投げ)も合理的な選択肢
✅ 次のアクション
- 本業の時給を計算する(年収÷年間稼働時間)
- 確定申告に費やしている年間時間を見積もる
- シミュレーション表で総コストを試算する
- 税理士丸投げが合理的なら、複数社の見積もりを取る
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